こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
今回から不定期にはなると思いますが、FORTUNAが子どもたちの為に専門的な支援内容として現在取り入れている認知行動トレーニングについてお話しをさせて頂きます。
FORTUNAは医療機関ではありませんが、ここでは敢えて認知行動トレーニングのことを認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy)の略語であるCBTと呼ばせて頂きます。少し難しい話が出てくるかもしれませんがご了承下さい。またここで出てくるクライアントという言葉は、子どもや保護者の方を指していると思って下さい。
さて、子どもたちにとっての「問題を理解する」とはどのようなことなのでしょうか?
日本ではすでにカウンセリングモデルや精神分析学という手法が多く取り入れられており、CBTはまだまだメジャーではありません。
現在、特に日本でよく取り入れられているカウンセリングモデルというやり方(簡単に言うとありのままを全て受け入れる=受容する)は、クライアントの問題をカウンセラーが全て一緒に受け入れ、クライアント(来談者)「つらいんです」(セラピスト)「つらいんですね」、「行きたくないんです」「行きたくないんですね」とクライアントが(本来カウンセラーに向けるべきではない)転移感情をカウンセラーに向けていくというカウンセラーとクライアントが「向き合う・重なり合う関係」を重視しています。カウンセラーがクライアントの言葉に共感・受容するということは「問題を二人で一緒に抱え込む関係性」であるとも言えます。
しかしCBTというのは、クライアントと重なり合う・一緒に抱え込む関係ではなく、クライアントとセラピストが並んだ関係、すなわち問題にクライアントと並んで眺めながら問題を解決していく関係を構築していくというところに特徴があります。(二回目以降に詳しく説明します)
「問題を理解すること」の問題とは、少し難しいのですが、簡単にいうと①カウンセリングモデルの場合は、理想の自分(自己概念)と現実の自分(経験)の不一致が問題であり、②精神分析学の場合は、問題は過去の心の傷によるものが多いといわれています。
しかし、CBTにおいては少し変わってきます。
CBTでは、環境と人間との相互作用によって生じる、刺激→反応→結果の循環に焦点を当てて問題の理解に繋げていきます。
まず私たちには生きている環境が存在します。その環境から人はさまざまな刺激を受けることで、刺激を受けた人間が様々な反応をし、そしてその人間の反応が結果として環境に影響を与え、その影響が新たな刺激を生み出すという循環が成り立ってるという考え方です。
例えば
①事象(出来事)=刺激・・・「こんにちは」とお友だちのお母さんが挨拶をしてくれた。
②反応(自分)・・・何か嬉しくなって、思わず「こんにちは」と返した。
③結果(相手)・・・友だちのお母さんが笑顔で「ちゃんと返事ができて、偉いね」と褒められた。
自分のなかで、自信が出てきます。
①’刺激・・・別の日に、別の人から「こんにちは」と挨拶された。
②’反応・・・前回のように、「こんにちは」と返事をすることが出来た。
③’結果・・・「返事ができて、偉いね」とまた褒められた。
これが刺激→反応→結果の循環です。
カウンセリングモデルは、主観的世界における自己概念に注目しているのに対し、CBTとは、環境と人間の相互作用によって生じる刺激→反応→結果の循環に着目していくトレーニングなのです。
(続く)
放課後等デイサービス FORTUNA