こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
暑い日が続いているのに、なかなか関東の梅雨明けが来ませんね。どちらにしても今年の夏も、非常に暑そうですね。熱中症には要注意です。
さて、前回からの続きです。
ASD児の特徴として、抽象的な指示を想像して理解をすることが難しいことがあります。
だから「その子にわかりやすく伝わっているか」に注意する必要があります。
例えば、準備体操の時の様子について考えて見ましょう。
体操の場面で「手を上にあげて」という指示を出した時、大抵の子どもは手を精一杯上にあげようと伸ばすはずです。
ところがASD児の中には、頭の少し上で肘が曲がったままキープしている子どもがいます。「手をあげて」という指示では、「どこより上か」や「どれくらい上か」などが曖昧なため、肘が曲がった状態で自分は「できている」と思ってしまう場合があります。
こういう場合は、「天井にタッチするぐらい」「お空に手が届くぐらい」などの具体的なものや場所を手がかりに、必然的に背中から腕が伸びるような声がけを心掛ける必要があります。
次にASD児において「今、できることは何か」です。
スモールステップという言葉はよく使われていますが、運動場面では特に欠かせないところです。このことは、ASD児に限ったことではありません。子どもたちの運動指導においては、必須です。
まずは、その子の特性に合わせて、今できることから課題を設定し、成功体験を積み重ね、最終的には主体的により難しい課題に挑戦出来るように促す必要があります。
例えば、お菓子の袋が破れない子どもがいるとします。「お母さん、開けられない」といわれた場合、保護者が何でもしてあげるのではなく、できるだけ自分で開けさせるのが良いでしょう。ただし、手指の巧緻性に問題がある子どもの場合、ちょっと無理があります。なので、指先で袋をしっかりつまむ練習からはじめ、交互にねじる、ひねって破る練習をしましょう。
それでも大抵は無理ですから、親が最初に少しだけ切れ目を入れておくことが良いでしょう。そのことによって袋がより破れやすくなり、子ども自身が「自分でできた」という自信にもつながります。
靴紐を結ぶのも同じです。靴紐の最後だけを手助けを入れながら本人にやらせてみて、徐々にもどっていくのです。逆算の考え方です。
このようにスモールステップでの運動指導においては、ただやみくもに段階を区切るのではなく、求められる動作のおおよその発達段階を理解することも大切なのです。
次回はASD児の運動指導の最終回です。
(日本スポーツ協会公認:フィットネストレーナー)
放課後等デイサービス FORTUNA