こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
今日も朝方は少し涼しかったですが、徐々に気温が上がってきて暑いですね。夕方以降に雨が降る予想(関東地方には災害級の予報が出ています)ですが、ようやく恵みの雨です。 降りすぎるのも問題ですが、少しでも気温が下がれば良いと思います。
それでは、ASD児の運動指導の最終回です。
ASD児においては、様々な感覚過敏、感覚特性が報告されています。そのことによって、運動することが苦手になる可能性が高いと言われています。
まずは、運動中の大きな音です。友だちからの「ヘイ!パス!」の声や、グランドで先生が「みんな集合!」という場面、練習終了の笛などに、過敏に反応してしまう子どもがいます。
また中には、体操服や、器具の感触などが気になってしまう子どもや、ボールが飛んでくることや縄跳びを極端に怖がる子どももいます。
また運動中に、救急車やパトカーのサイレンの音に反応し、運動をほったらかして追いかける子どももいるでしょう。電車が気になって、運動そっちのけでフェンスから電車を眺める子どももいるでしょう。
私が知っている子のなかには、数字が大好きな子どもがいました。外出したときなどは、フロアーに書かれている数字をみるともうハイテンションです。エレベーターなどを見つけると、一直線に向かって走っていく(結構速い)ので、保護者の方と一緒に止めるのが大変でした。
このように子どもがどう感じているか。どう感じている子か。を予め、知っておき、運動を行いやすい環境を整えておくことは、運動指導を行う場合においては非常に重要なことになり、経験のあるベテランの先生の存在が重要になってきます。
次にASD児は何を見ているかです。
定型発達児はお手本を見せるとそれを真似しようとしますが、ASD児の場合は他者の真似(模倣)をすることが苦手と言われています。
このことについて、ASD児の模倣について調べるために、ターゲットに向けたゴールダイレクトの条件と、ターゲットがないゴールレスの条件を設定した検証が行われました。
その結果、ASD児はターゲットに向けたゴールダイレクトの条件のほうが模倣しやすいことが示されました。この特徴の背景には、全体よりもある部分を好んでみる傾向が強いことや、物への執着が強いなどのASD児特有の認知特性が関係していると考えられています。
そして、それらの特徴が、様々なスポーツ場面に影響を及ぼし、身体的不器用さに繫がってくることが予想されます。
これらの視点や留意点は、ASD児の特性の本質に関わるものであり、身体活動場面だけでなく支援現場でも広く活用されなくてはなりません。特にASD児の運動への参加を阻害する様々な要素が、色々な場面で見られます。そのため、これらの視点や注意点を抑えておくことは必須なのです。また、特性を良く理解した専門的な知識と実践力をもった先生や指導者と出会うことも1つの鍵となります。
FORTUNAでは、教室内には子どもたちにあまり刺激をいれないように、教室内には最低限のものしかおかないようにし、置いてもいたとしてもあまり目に入らない場所に置くという工夫をしています。また、職員には、日本スポーツ協会(旧:日本体育協会)公認のフィットネストレーナーや公認心理士の監修の元、運動指導のための指導を日々受けながら研鑽を積んでいます。
子どもたちの中には粗大運動はできるが、微細運動ができなくて困っている子が多くいます。FORTUNAでは、そんな子どもたちの「出来た」「出来るようになった」を一つでも増やす活動にこれからも取り組んでいきたいと思っています。
近年、ASD児の運動発達支援において「変化の過程」に焦点をあてる重要性が指摘され、そのために、提唱されているのが<ダイナミック・システムズ・アプローチ>です。
少し、難しいので、また別の機会にご紹介させて頂きます。
放課後等デイサービス FORTUNA