こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
今回は、ASDの3回目です。
今回の内容は、感覚過敏もしくは感覚鈍麻についてです。
ASDの特性がある子どもは、感覚過敏や鈍麻(音、光、触覚、におい、味覚、痛みなどに極度に過敏もしくは鈍感)の困り事が多い子どももいます。
その子どもたちの中には、生まれたときから感覚過敏であるため、物心がついたときに、自分が感覚過敏、鈍麻であることに気がついていないこともあります。
そのため、例えば一般的には大した音ではないのに過敏に反応し、自分が嫌な思いをするのは、「周りがうるさいから」と思い込んで、被害を受けていると捉えやすくなり、保護者の方の中にもそのことに対する理解が少ない方もおられるため、同じように被害を受けていると考えてしまい療育に支障をきたすこともあります。
よく聞く話としては、お友だちが本人の肩を軽く叩いて呼びかけただけであるのに、先生への訴えは「○○さんに叩かれた」と言ったり、その子にたたき返すという仕返しを行ったりするような行動をとることもあります。このことは、触覚の過敏による過剰反応である場合があります。
このような訴えがある子どもへの対処としては、保護者からの聞き取り表(フェイスシート等)をもとに事前に職員間で情報を共有しておく必要があります。FORTUNAでは、保護者からの聞き取りは勿論のこと、FORTUNAで活動中の子どもたちの様子を観察しながら、そのような様子が見られた場合は、その子ども自身からも別室で聞き取りを行うようにしています。
また、専門書の中には、「主体的に何かを決めることが難しい」と書かれているものもあります。ただ、私見ですが、大人の仕事の世界においても、主体的に動けない、判断できない人はたくさんいます。そのこと1つでその人たちはASDなのかと聞かれると私には?がつきます。
ただ、「今から自習にするから自由に過ごして良いよ」と言われたときに、困惑したり、考え込んだりする行動はよくみられます。しかし、場違いであったり、他人に迷惑をかける行動(歌を歌いたかった。先生が好きなことをしても良いと言ったから、大きな声で歌を歌ったなど)を許すことは、私としては教育上の観点から看過することはできないので、FORTUNAではしっかりと教えるようにしています。なぜならば、今、許してしまうと将来は社会にひとりで出ていったときに困ってしまうからです。小学生の今の時期は、そのための準備として非常に重要な期間なのです。
このようにASDの特性として、他者の気持ちに寄り添ったり、場の雰囲気を感じて行動を起こすなどは、難しいことがあります。また、他者だけではなく、自分自身の心身の状態や、現在おかれている状況、他者との関係性を客観的に把握する「メタ認知」の機能が弱く、物事の判断基準となる「自己」という感覚がもちづらいために、何かを主体的に何かを選ぶことが同年代の子どもよりも少し難しくなる場合もあります。
次回に続く>
放課後等デイサービス FORTUNA