こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
運動が苦手な子どもについてのご相談が多くなっているので、もう一度協調運動とは何か、感覚統合(療法)とは何かを、文科省、日本スポーツ協会公認のフィットネス・アスレティックのプロトレーナーとしてスポーツクラブや支援学校で指導経験があり、心理士でもあるFORTUNAの校長先生に子どもの発達について説明してもらうことにします。
了解いたしました。それでは以前のブログにも書きましたが、運動が苦手、手先が不器用な子どもについてもう一度説明していきますね。(支援方法などは過去のブログに少し載せているので、もしよければ読み返してください)
発達性協調運動障害(DCD)という言葉が、少し浸透してきたためにこの言葉を使われる保護者の方が増えてきたように思います。
協調とは、簡単にいえば見る、聞く、触るなどの感覚や身体の姿勢、手足をコントロールし、運動を行うための脳の機能の1つです。これらは日常動作との結びつきが深く、食事や着衣、手の作業、姿勢の保持などに重要な役割を果たしているのです。
発達性協調運動障害(DCD)の子どもの場合、以下のような困り事が見られることがあります。
*このような困り事があるから必ずDCDとは限りません。ちょっと専門的な話になりますがDCDの診断には、1)神経発達障害・精神疾患などの家族歴 2)妊娠中や早産、仮死など周産期の異常 3)乳幼児期の発達歴 4)現病歴など、詳細な問診に加え 5)DCDに特化したアセスメント 6)一般的な神経学的診察 7)発達神経学的診察により、いわゆる微細神経学的徴候<SNSs>を評価 8)協調、SNSsの標準化された系統的な検査 9)一般的な身体疾患や神経・筋疾患の除外 10)ASD、ADHD、SLDなど、他の神経発達障害の評価 11)社会参加や自尊感情など心理社会的状況とそれらによる二次障害の有無の評価などを行い、包括的に診断することになり非常に複雑なのです。
わりと簡単な方法としては、DSMー5というのがあり、DCDの診断基準においてはA~Dまで4つから構成され、診断は「病歴(発達的、医学的)、身体検査、学校または職場からの報告、および心理測定的に妥当性があり文化的に適切な標準化された検査を用いてなされた個別的評価を臨床的に総合判断することによって診断が下される」となっています。
それでもややこしいですね。
では、日常動作においての一例をあげましょう。
・着衣については、ボタンのかけ違いやボタンがはめられない。
・物を落とす。物にぶつかる。
・靴紐をはじめ、紐類を結ぶことができない。
・物を掴む。ハサミを使う。
・ボール運動が苦手(ボールキャッチのタイミングがずれるなど)
・着座姿勢が崩れてしまうことがある。すぐにゴロゴロしてしまう。
・階段や段差をスムーズに降りたり、登ったりできない。
などが見られた場合、DCDの可能性が出てくるのです。
また、発達性協調運動障害だけについてならば、知的発達の遅れが見られないことが多いのですが、ASD、ADHDなどの児童においては知的発達の遅れとともにDCDを併発する場合もあります。
<続く>