都筑区放課後デイ FORTUNA   新学期に備えて

こんにちは。都筑区の放課後デイサービス FORTUNAです。

前回は、保護者の方にご協力頂いたアンケートのお話しをさせて頂きました。この結果をもとに、保護者の方々から子どもたちのご家庭での様子などをお伺いし、連絡帳や送迎時のお話しで承知していたことも含め、子どもたちの成長度合いを私たちが再確認でき、改めて共有することができたことは非常に良かったと感じています。また、子どもたちが良い方向へ変化していることを保護者の方々にご理解いただけていることは、私たちにとっても非常に嬉しいことだと思っています。

子どもたちを良い方向へ導くためには、色々な方法があると思います。FORTUNAではこんにちは。さようなら等の挨拶、ありがとうやごめんなさい等の礼儀などの一般常識を学んでもらいながら、プログラムに多様性を持たせ、好奇心、向上心を育む療育を継続することが大切であると考えています。
当たり前のことではありますが、物事を習慣化させるためには反復する必要があります。FORTUNAを利用されている方で利用回数が多い子どもほどこのような生活が習慣化され、お子さまの成長を実感されておられる方も多いと思います。
すなわちFORTUNAでは一貫した療育をコツコツと継続的に行うことで、子どもたちが学ぶべきことの種を植えてから芽が出始めたことを表わしていると思っています。

また教室開設以来、保護者の方々から困り事や悩み事の相談を連絡帳のみならずお電話やお手紙でいただいた場合、保護者の方の困り事に真摯に向き合いながら、子どもにとってより良い方向を目指して療育をして参りました。特に悩みについて専門性が必要な場合は、子どもたちから校長先生と呼ばれているFORTUNAの代表が対応するといった体制をとり、ご質問などに対しても代表自ら時間が許す限り電話やお手紙で回答させて頂いております。お子さまをお預け頂いているのもそういったところをご評価して頂いているからだと思います。

今回のアンケートを読ませて頂くと、保護者の方々からの温かいお言葉がたくさんありました。そういったお言葉を読めば読むほど、今まで以上に子どもたちや保護者の方に寄り添っていこうと職員一同が気持ちを新たにしたことは前回お伝え致しました。

FORTUNAを利用されている殆どの子どもが集団活動の基礎を学ぶ1stステージを3~4ヶ月でクリアし、集団活動の入り口の2ndステージに上がり、自分以外の他児や先生との接し方の勉強を開始しようとしています。それがまさしくこの夏休みなのです。
実は子どもたちの成長にとって夏休みは大変重要な意味をもっています。
私の教員時代の話になりますが、初めて担任をもったときに先輩の先生方から言われたのが、「子どもたちの行動や気持ちに大きな変化がみられるのが、新年度、長期休み明け、卒業前だからそこは注意しなさい」という言葉でした。その言葉を胸に着任してから注意をして子どもたちの様子を観察していました。私のクラスは大丈夫でしたが、やはり夏休み明けに休み気分が抜けないまま新学期が始まり、その結果、学級が崩壊してしまうクラスは多かったように思います。学年主任となり他のクラスの担任の先生方と話をすることも多くなったのですが、やはり学級が崩壊するクラスの先生には、子どもたちの様子をしっかり把握出来ておらず、普段から気持ちや行動の切り替えやメリハリのない教室運営を行い、子どもたちのやりたいようにやらせてしまっているという共通の問題点がありました。
すなわち、この夏休みはご家庭においても規則正しい生活をおくるようにしなければ、新学期に入ったとたん今まで身についていた良い習慣を忘れてしまいかねないということです。そうなってしまうと今までの努力が水泡に帰してしまい非常にもったいないことになってしまいます。(そうならないために、おはよう、おやすみ、いただきますなど当たり前の礼儀の練習をする。ダラダラとゲームなどをしない。やる場合は時間を決めて。僅かな時間でもかまわないので勉強の時間や手伝いの時間をつくる。夜更かしをせず、早寝、早起きを心掛け、自分で簡単なスケジュール表をつくってそれに沿って行動できるようにする。)

家にいてしまうと、どうしても自分中心の生活になるためにワガママになったり自分の世界に入り込んでしまいがちです。
FORTUNAに来てくれている子どもたちは出来る限り早い時期に社会性を学ぶためにその子にあった療育を行いながら、集団の活動も行えるようにシフトしていっております。そしてその療育こそが、困り感がある子どもたちの社会的早期自立に繫がると考えているのです。

先程、家にいるとどうしても自分中心の世界となるために、ワガママになったり自分の世界に入り込んでしまいがちと述べました。一般的に成長して大人に近づけば近づくほど他者との関係性が求められます。そして徐々に社会への関わりが増えていき、個人のワガママは通らなくなってきます。幼いときは好きなように生きることについての問題は少ないのですが、この生活が習慣化してしまうとある程度成長したときに大きな壁にぶつかります。その時になって気づいても時間を取り戻すことはできませんし、元の道に戻るためには余計な時間がかかってしまうのは自明の理です。幼い時に自然に身につけたことは、なかなか忘れることはないのです。
先人たちが言う「三つ子の魂百まで」とは、非常に的を得ている言葉だと思います。

すなわち私たちFORTUNAはこの「三つ子の魂百まで」という先人の言葉を大切にし、そのためにプログラムに工夫を凝らし、小さな子どもたちに「教室に通うのが楽しい」と思ってもらいながら社会性を身につけてもらうことをコツコツと今まで実践してきました。

そのような考えのもと、1ヶ月後に新学期を迎えるに当たり「聴覚を刺激し音から学ぶ」こと、「しっかり集中して相手の言葉や音楽を<聞く>」ことの重要性をわかってもらうために、この夏休みを新しい取り組みのための準備期間とし、新学期から本格的に活動することにいたしました。

その取り組みが音楽や語学なのです。
著名な音楽家を多数輩出している名門大学の音楽科を卒業され、音楽の教員免許をもたれている先生に音楽の楽しさを伝えながら子どもたちに音楽に興味をもってもらい、そのうえ運動の基本となるリズム感を養ってもらえるようなプログラムを職員みんなで遅くまで考えております。
また、ウクライナの首都キーウ(旧キエフ)出身で大学時代はウクライナの高校生に日本語を教えていた経験をお持ちで、大学卒業後は、キーウで障がいをお持ちの児童もいる幼稚園で先生をされていたウクライナ人の若い女性の先生に仲間に加わってもらい、子どもたちには語学、主に英語を耳から学んでもらうプログラムを実施して頂こうと考えています。
このように先生方の貴重な経験を多いに活用しながら、子どもたちの可能性を十分に引き出すために今までおこなってきた創作、工作や運動活動に加えて、音楽と語学の両方の観点からも療育活動を行う準備を始めています。

実際、来てくれている子どもたちの中には音楽(ピアノ)に対する興味が湧いてきた子どももおり、今まではおとなしくて会話が苦手であった子どもが自由時間に自ら「ピアノを教えて欲しい」と先生にお願いすることができるようになりました。今では先生と一緒に真面目にピアノの練習してくれるようにもなり、本人的には自信が少しついてきたように思いますし。子どもが自発的にコツコツと楽しそうに練習している姿をみると本当に嬉しくなります。

また、先生がピアノを弾くと自由なスタイルでリズムをとってユニークかつ上手に勝手に踊り出す子どもも現れ始め、「案外上手に踊ることができるんだな」と思いつつ、その踊り方が実に個性的だったので周りは大爆笑となりました。(本人は気にすることもなく笑顔でブレイクダンスと言い張っていました)子どもについての新たな発見が出来るのもこの仕事のおもしろいところだと思います。

このようにFORTUNAでは子どもたちの先を見据えながら、可能性や選択肢を出来るだけ拡げるために智恵を絞っていることをご理解いただけたら幸いです。

子どもたちがやりたいこと、好きなことばかりをさせるのではなく、社会行動の習慣化、気持ちや感情の切り替え、他者との関わり合い方など、今後の厳しい世界を生き抜いていってもらうためのお手伝いを、全力でさせて頂きたいと思っております。これからも応援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

<P-S>

今後、放課後デイ終了後にNPO活動の一環として、みお先生(ピアノ)やマリア先生(英語)による一般の方向けの少人数制の(5~8名)教室も開催できたらと思っています。その際は保護者の方をはじめ、そのお友だちやお子さまにも是非参加して頂きたいと思います。詳しいことは決まり次第ご報告申し上げます。

                                      放課後等デイサービス FORTUNA
                                       電話 045ー414ー2016