こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
朝晩は非常に寒くなって、冬らしくなってきました。私にとって毎年恒例の10年は使用しているベンチコートの出番が回ってきました。ちょっとボロくてみすぼらしいかもしれませんが、今年の冬もこの相棒で乗り切ろうと思っています。
さて、運動が苦手な子どもたちの五回目です。
感覚を統合することにより身体の協調性が向上し、発達性協調運動障害(DCD)の改善にも繫がっていくことはご理解頂けたかと思います。
前回は、ボディーイメージを作り上げていく一例としてジャングルジムを取り上げました。
今回は、ボールを使った遊びや運動を紹介していきます。
私は若い時に教師以外にプロコーチとしてサッカーJ1チームのアカデミーやスクールでグラスルーツ(草の根)活動をしていた経験があります。
アカデミーに入学できる子どもはプロを目指し、少年団やクラブチームで活躍し、地区のトレセン(選抜みたいなものです)から各都道府県のトレセン、各都道府県のトレセンから各都道府県選抜、各都道府県選抜から地方選抜(北海道とか関東とかです)とエリート街道を上がってきた子どもがほとんどなので、正直、運動が得意な子どもばかりでした。(水泳が苦手な子が多かったのには少し驚きましたが)
しかし、スクール特に幼稚園や保育園を巡回指導している時によく感じたのが、運動が苦手な子が予想以上に多かったことです。恥ずかしながら、かなり昔の話なのでその時は発達性協調運動障害(DCD)とか感覚統合などの言葉が巷に出回ることもなく、知りませんでした。運動が苦手な子どもたちの中に、そういった子どもがいたのかもわかりません。
ただ自分は、「参加してくれている子どもたちが楽しみながら他のお友だちと一緒に身体を動かして、サッカーを好きになってくれれば良いなあ」という想いの中で指導していました。
練習メニュー自体はコーチミーティングで決定し、主にコーディネーショントレーニング中心のもので、いかに運動することを楽しませることができるか。そしてそれをサッカーをやりたいにどう繋げていくかという考え方でした。
後に心理学を学び発達障害がある児童について勉強するようになって、発達性協調運動障害や感覚統合などについて知り、そういった子どもたちがたくさんいることがわかりました。興味をもち深掘りしていくにつれ、昔学んだコーディネーショントレーニングが色々なところでリンクしていることもわかり、この考えが子どもたちの成長に非常に重要であると感じました。
そうしたことから、FORTUNAでは運動療育のプログラムには、子どもが楽しみながらコーディネーション能力の向上を目指したものを多く取り入れるようにしています。
前置きが長くなりましたが、子どもは投げたり、蹴ったりすることが大好きです。だから今回はまず「ボールを蹴る」という動作について説明します。話が難しいと思われるかもしれませんが、理屈がわかっていないと家庭で練習をされてもあまり効果が期待できない可能性があるので、読んでいただければありがたいです。
「蹴る」という動作について
蹴るという動作には、自立するための筋力、身体の柔軟性、眼球運動と足の動きの協調性、バランス力、身体全体の協調性、リズム感などコーディネーション能力のほとんどが必要となってきます。
発達段階別に分けて考えると
開始期、初等期、成熟期のように分けて考えます。対象児童の学年ではなく発達段階を把握することが大切で、焦ることなく現在の段階を把握したうえで次の段階の動きを習得できるように発達段階にそった指導が重要になります。
まずは、止まっているボールをしっかり見て「蹴る」ことから始めてみましょう。足のどこの場所(部位)に当たっても構いません。
・そのためにはまず片足で立つことができることが必要です。
そのとき専門的にいうと軸足(蹴る方でない足)をボールの真横においてしっかりと立つ(片足立ち)。
・次は足を後ろに引いて、前に振り出して蹴る。
・そのときに腕(上肢)を拡げ、上手にバランスを保てるようにする。
などがあります。ボールなしでこの姿勢が取れるかを試してみるのも良いでしょう。
重要なのは課題があることに対しては、その課題を克服できるよう(片足立ちができなくグラグラしてしまうときは、手をもつなどしてサポートする)な配慮をすることです。
まずはしっかりボールを見て足に当てること(方向が定まらなくてもかまいません)ができるようになりましょう。(ボールは本格的なサッカーボールではなく、ビニールボールやスポンジ等のボール、ドッジボールでも構いません)
<続く>
放課後等デイサービス FORTUNA