こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
ここ数日間、大雨が続き大変でしたが、日が暮れてからはようやく過ごしやすくなってきたように思います。
TVのニュースでも言っていましたが、「暑さ、寒さも彼岸まで」となりそうです。
さて、限局性学習障害の3回目です。
学習障害という困り事があることで、一般的にはどのような問題が出てくるのか考えてみましょう。
学習上で複雑な認知処理を必要とする作業として、読み書きの問題があります。文章を読むという作業では、まず視覚的に目に映る文字の形態を次々と頭の中で音声化しながら単語のまとまりをつくり、脳内の辞書と照らし合わせて、その意味を理解する同時処理と音声化された一連の言葉を元の順列にしたまま保持しておく継次処理の両方が必要となります。
この処理が上手くいかない子どもの中には、モノを単語で示せない子どももいます。どうぶつ絵カードで例えれば、縞模様が入っている動物は、シマウマを見てもチーターをみてもすべてシマウマと答えることがあります。小動物であれば、犬、ネコ、タヌキ、キツネ全てに犬と答えてしまいます。すなわち語彙(脳内の名詞の情報)が少ないため、言葉で表現することができません。
当然ですが、音読をさせてみても単語が少なく、助詞や接続詞などが理解できないため、棒読みになってしまいます。例「ワ・タ・シ・ハ・キ・ノ・ウ・ママ・ト・イ・ッ・ショ・二・マ・ク・ド・ナ・ル・ド・二・イ・ッ・テ・ハンバーガーヲ・タ・ベ・マ・シ・タ」
助詞とは)単独では意味はなく、名詞や動詞などの自立語に付いて、他の語に付属して語句の関係を示したり、文に意味を加えたりする語のことで、働きとして、①語句の関係を示す:主語と述語、目的語と動詞などの関係を明確にする。②意味を補足する:言葉に協調、限定、程度などの意味を付け加える。がある。
A)格助詞(主語、目的語、場所、方向などを表す)・・・「が」「を」「に」「へ」「と」「より」「で」「や」「の」など
B)接続助詞(順接、逆接、理由、条件などを表す)・・・「が」「ので」「て」「ば」「と」など
C)副助詞(強調、限定、並立、程度などを表す)・・・「も」「だけ」「さえ」
また文章を書くという作業では、似たような音のまとまりから文脈沿った適切な単語と文字を抽出し、さらには目で捉えた紙面と手の動きを連動させる目と手の協応などの同時処理と、頭のなかに音声化された一連の言葉を順番に文字形態へと変換していく継次処理の両方が適切に組み合わされなくてはなりません。読み書きの困難には、このどちらか一方あるいは両方の認知処理過程に問題があると想定されます。
学習障害の特性がない子どもたちは、このような複雑な認知処理を意識しなくても自動的に実行することができるのですが、学習障害の特性が強い子どもにとっては、大変な努力と膨大な時間が必要になってくるのです。
このような特性のある子どもに対しては、こどもの現在の実力以上のこと(ひらがな、カタカナを覚えていないのに漢字やローマ字を書かせる、一桁の数字の足し算がわかっていないのにかけ算を覚えさせるなど)
ノートを綺麗に書き写させることよりも、基礎的な学力をつけさせて内容を理解させることのほうに注力するほうがよいと思います。
FORTUNAにおいては、学習の時間には学校で宿題が出ている場合は、まずはそれから取り組んでいただきます。そこで時間が余ったり、宿題がない子どもには、学年で問題を選ぶのではなくその子にあった各種ドリルやコグトレなど、多くの先生が子どもに携わりながら学習に取り組んでいます。
ご家庭内でも、基礎的な学力向上に協力していただけると幸いです。
放課後等デイサービス FORTUNA