こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
今回は発達性協調運動障害⑥です。
前回は「学童期における運動面で気になる子の実態」について書きました。今回は、どのような時に運動面の困難さがあるか実態の把握方法についてお話します。
ただ運動面の困難さの背景には、多面的、複合的な要因が含まれているので、何か1つが出来ないからすぐに発達性協調運動障害が認められるとはなりません。
様々な面から慎重に見ていく必要があります。
学校保健安全法の一部改正により、学校における健康診断において「四肢の状態」という項目が追加されました。四肢の形態および発育の状態によっては、疾患と認められる場合もあります。
以下に、学童期(5~12歳)における協調運動の困難さの一例を挙げますが、発達段階によって困難さの程度や内容が異なってきます。ここは注意が必要です。
同年代の子ども比べて、以下の例に示したような様子が頻繁に認められ、学習上、生活上の困難があるような場合は発達性協調運動障害(DCD)が疑われます。
【協調運動の困難さの例】
① <粗大運動>
・立って靴下や靴を履くときにふらつく。
・片足で5秒間以上立っていられない。
・平均台を上手く渡れない。
・台から両足ジャンプで飛び降りることができない。
・ボールが狙ったところにいかない。
・ドッジボールで当たりやすく、また当てることが苦手である。
・長縄跳びでタイミング良く入れない。
・動きを急に止めることが出来ない。
・鬼ごっこですぐに捕まる。鬼役の場合は、ずっと鬼役。
・お盆に載せたコップの水を運ぶときに良くこぼす。
・ダンスの振りが覚えられない。
・リズムと動きがちぐはぐ
などがみられます。
② <微細運動>
・雑巾が絞れない。
・ボタンやジッパーをはめたり外したりが苦手。
・ハサミの使用や折り紙が苦手。
・菓子の包装を破るのが苦手。
・プリントや折り紙がキレイに折れない。
・文字がマス目からはみ出してしまう。
・文字のバランスが悪い。
・食べ方が汚い
などがみられます。
(上記のことが見られるからといって、すぐにDCDということにはなりません)
学童期のDCD児に対する指導・支援については、
身体を器用に動かすことができるようになるためには、各身体部位が協力しながら動きを調整しあう協調運動が必要です。また発達的には各身体部位が、独立的に動かないと成立しません。
協調運動が苦手な子どもたちにとっては、体育や運動遊びの中で、平均台、ジャングルジム、マット運動、簡単なボール運動、鬼ごっこなど様々な運動を行うことが、各身体部位の動きを分化させる刺激になると考えられます。
ただし、ここで指導者や先生たちの技量が問題となってきます。成功体験を増やし、やる気をそがないように、最初は簡単な課題を繰り返し行い、徐々に難しくなるような工夫が必要になってくるのです。できるだけ成功体験や達成感が得られるような指導が求められます。
FORTUNAでは、自ら高いレベルでの運動経験者が多く、学校現場などでの実務経験がある職員も多いので、運動に対しての理解力は高いと思います。しかし運動が苦手な子どもたちの気持ちがわかりにくいということも考えられますので、的確な指導が出来るように社内研修で厳しく指導を繰り返しております。
また我流ではなく、文部科学省の小学校の体育の指導要綱に出来るだけ則って指導を行うようにして、子どもたちの学校での生活とできる限り違いがないよう寄り添いながら、協調性の向上を目指しております。
今回、一例として紹介しました。「片足で靴を履く」などはほんとに些細なことです。ご家庭で練習できることもたくさんあると思いますので、保護者の方もお子さんと一緒に楽しみながら挑戦してみてください。
放課後等デイサービス FORTUNA