こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
「真面目な話はちょっと・・・」という保護者の方もおられるかもしれませんが、FORTUNAの子どもたちへの療育に真剣な取り組みについてご理解頂くためには、必要なことと考えて書いております。お付き合い願えたらありがたいです。
前回までは、CBTについてお話しました。
その中でCBTにおいては、「環境と人間の相互作用が悪循環に陥ったときに問題が生じると考える」ということは述べました。
今回は日本でよく使われている手法の1つについてお話します。この手法はカウンセリングモデル(来談者中心療法)ともいわれ、アメリカのロジャースという人が考えた療法です。
簡単に言うと、
カウンセリングモデル(来談者中心療法)とは、現実から切り離された面接室の中で、カウンセラーはクライアントが安心して自分の問題に向き合える関係性を築き(現実から切り離された面接内でクライアントに共感し、安心して問題に向き合える2者関係をつくる)、クライアントに指示を与えない「非指示的療法」を提唱しました。そして、クライアントが語る言葉に共感、受容するのみで、クライアント自身の自己回復力・自己成長力に期待するというものです。
*個人的には、この非指示的療法(「やりたくない」→「やりたくないんですね」のように、あるがままに受け入れる)そしてクライアント自身の自己回復力・自己成長力に期待するというところが気になります。
クライアントに対する共感・受容のためにカウンセラーとクライアントの二者の関係が重要になってきます。
これは、クライアントとカウンセラーが「向き合い、重なり合う関係」が重視されているということで、カウンセラーがクライアントの言葉に共感・受容するということは、「問題をクライアントとカウンセラーが2人で一緒に抱え込む関係性」ということを表わしているのです。
しかしCBTが目指すクライアントとの関係は、「向き合い、重なり合う関係」ではないのです。
CBTが目指すクライアントとの関係は、「一緒に並んで問題について眺め、考える関係」です。まず、「刺激→反応→結果」の悪循環の問題をカウンセラーとクライアントの双方が目に見える形で図示していきます。
この作業を問題の外在化といい、この外在化された悪循環を一緒に眺めながら「さて、どうしていきましょうか」と今後について考えていくのがCBTであり、この「並んで眺める関係」のことを協働関係といいます。
CBTはクライアントに共感的ではないということを言われる方もおられますが、決してそうではないのです。
並んで眺める関係=協働関係のために問題を抱え込むのではなく、問題を外在化することが大切なのです。
<ポイント>
CBTでは、カウンセラーは、現実で起きている問題を外在化(対象化)し、クライアントと一緒に観察し、問題解決に取り組む並ぶ関係(=協働関係)を形成する療法である。
それとは対照的に
カウンセリングモデルは、現実から切り離された面接内でクライアントに共感し、安心して問題に向き合える2者の関係をつくり、クライアントに指示を出さず、問題をカウンセラーが一緒に抱え込む療法である。
<続く>
放課後等デイサービス FORTUNA