都筑区放課後等デイサービスFORTUNA ソーシャルスキルについて②

こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
 
 
 
ソーシャルスキルの中で教えることが難しいとされる”気持ちや感情の表現や受け止め方”については、少し述べました。
 
発達面で少し問題がある子どもたちに対しては幼少期から育むべきことについて、いくつかのポイントがあると言われています。
 
それは、情緒的に安定し、意欲や希望をもって(情緒)、大人や周りの手を借りながら・他者と共に(社会性)、自分自身を上手にマネージメントして問題に対処していけるかどうか(セルフコントロール)の経験を積み上げることが出来たかどうかで、青年期や成人期の適応の姿が違ってくると言われています。これらの側面は、最近では社会情動的スキルと呼ばれており、FORTUNAはその考えを用いて、小学校の低学年からそのことを意識した療育を行ってきました。
 
 
 
そのため、FORTUNAに通ってきてくれている子どもたちのほとんどが、挨拶をはじめとした一般常識を身につけながら、「学校には行きたくないがFORTUNAにはいく」(本当は良くない行動です)と言って、休みなく通ってくれ、先生や友だちと楽しそうにその日の療育プログラムに参加してくれています。また、途中で気持ちが乱れたり、切り替えが上手くいかなかった子どももいましたが、今ではほとんどの子どもが自分から「今、気持ちがイライラしてるから少し落ち着くまで参加しないで休んでおく」といってくれるようになり、自分自身の気持ちに向き合いながらセルフコントロールも出来るようになってきました。また、困り事があっても、社会性を学んでもらうために、他者の気持ちを出来るだけ理解してもらえるように「○○を自分がやられたらどう思う?」「今の怒りのレベルはこの表ではどのくらい?」など目から情報を入れ判断させるようにしたり、社会的にダメなことは「ダメ!」(他者に暴力を振るう、他者の物を盗む、他者の物を壊す、他者の迷惑になることは行わない等)とハッキリと伝えるようにしてきました。
 
 
 
以前、療育中の子どもたちの様子を見られた見学の保護者の方から「FORTUNAに来ているお子さんは、最初から皆きちんと着席できて、先生の話を聞ける子どもが多いんですよね」というご質問を頂いたことがあります。
 
その問いに対しては、ハッキリと否定させて頂きました。
 
なぜなら、FORTUNAの子どもたちの中には、困り事の大小はあるにせよ、2年前の開設時には激しい特性をもった子どもも多く、壁に穴を空ける、友だちに暴力を振るう、机の上に乗って机を破壊する、床のカーペットを剥がす、教室から逃亡する、他の子どもの作品を壊す、机の下で寝転ぶ、大声や奇声をあげる、自分の頭を壁に打ちつけるなどの自傷行為を繰り返す子どももたくさんいたのです。
 
その子どもたちに2年、3年かけて、情緒的に安定させ、出来ることを増やして自信をつけてもらい色々なことに興味をもたせたり、挑戦させながら、セルフコントロール出来るように粘り強く、根気強く療育を繰り返した結果、今のようなしっかりと座れて話を聞ける子どもが増えていったのです。最初から、キッチリ座れて話を聞ける子どもはほんの僅かしかいなかったのです。
 
 
 
この療育は、子ども一人一人の特性の違いがあるため、皆が同じような成長をしてくれるとは限りません。その子のペースなので、成長が本当に少しずつの子どももいましたが、その積み重ねで今のように授業を座って聞くことができるようになったのです。
 
 
 
この第一段階をクリアでき始めた子どもたちは、これから先も上手くやっていけるのではないかと思っています。
 
 
 
次回は発達面に問題を抱える子どもたちに取って、社会的情動スキルとはどのような意味があるのか考えてみます。
 
 
 
 
 
放課後等デイサービス FORTUNA