こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
SSTの基本的手法には「教示」「モデリング」「リハーサル」「フィードバック」の4つがあるとお伝えして参りましたが、今回は最後の「フィードバック」についてです。
復習ですが
子どもたちが社会生活において取るべき行動を言葉で教えることは「教示」と呼ばれていること。
そのお手本を見せることで行動を学ばせることを「モデリング」と呼ばれていること。
学んだ「行動」を実際にやってもらうことを「リハーサル」と呼ばれていること。
は、すでに述べてきたとおりです。
そして、今回は、その中のフィードバックについてです。
子どもが適切な行動を自ら取ることが出来たときに、「上手にできたね!」と褒めたり、「上手くできたけど、99点です。○○までできたら100点になるから、次、貰えるように頑張ろうね」などの修正の声掛けをすることを「フィードバック」といいます。
否定的なことばかり言われると大人であろうと子どもであろうと大抵の人は嫌になります。ただ大人の場合は仕事なので、同じ失敗ばかり繰り返していると「注意」を受けてしまうのは当然です。なぜなら、仕事としてお金という対価が支払われているからです。
しかし、子どもの場合は大人とは違って失敗は成長するための経験であり、仕事ではありません。そのため、より良い成長につなげるための「注意」ではなく「声掛け」をしなければなりません。
書籍によっては、「全て肯定しなさい。許容しなさい」というような誤解を招く書き方がなされているものもあります。誤解により、子どもの「○○したくない」ということについて理由を深掘りすることもなく、全てを安易に受け入れてしまうことは、私の経験上、良くないと思います。
子どもが「できる可能性があること」は、挑戦させてみるべきです。「失敗を恐れているから、可哀想だからやらさない」というのは違う気がします。失敗をするのも経験です。失敗したら、「次、頑張ろう」という声掛けを適切なタイミングで行うことができれば、子どもの成長に繫がるのではないでしょうか。
大切なのは、なんでもかんでも子どもの言いなりになるのではなく、親や学校関係者などの周囲の者がその子どもの力をしっかり見抜き、「ここまでなら自分でやらせてみても大丈夫」という「髙過ぎず低すぎない、その子に適切なハードルの高さ」を知っていることです。
子どもをよく観察しないと、子どもが出来るか出来ないかハードルの高さがわかりません。また、子どもの「○○したくない」という言葉だけを鵜呑みにしてしまうと、ひょっとすると子どもの成長するチャンスを奪ってしまっている可能性もあるということを心に留めておくべきです。
そのことをわからないまま、また考えないままで子どもに接した場合、「全て肯定」、「全て許容」と過保護や過干渉になりかねない場合もあるのです。子どもの力は、大人が考えている以上にあります。
さて、「フィードバック」の話に戻ります。
フィードバックの効果的な方法として、子どもが頑張ったことに対してフォーカスし、注意する際にも「○○できたら、もっといいよ」など、肯定的な行動に言い換えるなどの「肯定的フィードバック」があげられます。また、子どもをよく観察し、その子どもがターゲットとなるスキルを行えた場合に、すぐに「褒める」という即時型フィードバックも効果的と言われています。
次回は、このことについてオペラント学習理論を用いて説明していきたいと思います。
続く>
放課後等デイサービス FORTUNA