こんにちは。都筑区放課後等デイサービスFORTUNAの公認心理師のK・Kです。5回目となる今回は、6歳児の定型発達の「自我の発達」についてお話したいと思います。また、定型発達はあくまで目安であり、全ての6歳児が定型発達の特徴を持つとは限らないことはご了承下さい。
【自我の発達】
6歳の子どもは、「学業能力」「社会的能力」「身体的能力」「外見的特徴」の4つの領域で自己評価を発達させ始めます(Berk, 2007)。これらの領域での成功と自信が子どもの自己肯定感を作り上げます。ライフサイクルという、各年代の発達課題を整理したエリクソンによると、この時期の発達課題は「勤勉性(industry)vs劣等感(inferiority)」としています。上に挙げた領域で成功した子どもは、自分でできるという自己効力感や、自信を持つことができ、勤勉性を身につけます。一方、失敗体験の方が多くなると、自分には無理だと感じ、自己効力感や自己肯定感が低く劣等感を感じるようになります。6歳の勤勉性は、主に親や教師との関係の中で発達します。励まされたり、他人から信頼される体験をしたり、成功が認められたりすることで、自分自身の有能感や勤勉性の感覚を発達させていきます。
人格や道徳・社会的判断力の発達を段階的に捉えた、レヴィンジャーの自我発達モデルによると、6歳は自我発達の「自己保護的段階」にあります。この段階では、自分で衝動性をコントロールする力が発達し、従わねばならないルールがあることを理解できるようになり、自分の行動に結果が伴うことを予測できるようになっていきます。この段階の子どもの1番の関心は、自分の要求を満たし怒られないようにすることです。自分の誤った行動については、他者を責め、自分の非を認めない傾向が見られます。これは時にわがままに見えるかもしれませんが、自分に自信が持てるように必死で、ルールに従い自分の行動の結果を理解できるようになろうとしている最中だとも考えられます。
次回は、6歳児の「社会性の発達」についてお伝えいたします。