こんにちは、都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
前回の続きです。
午前0時にスロバキアの首都ブラチスラバのバスターミナルについたのは良かったのですが、そこから私のお馬鹿なところが炸裂します。
前回書きましたが、何とか電話が繋がり迎えに来てもらえるようにはなったのですが、自分の居場所がバスターミナル以外何もわかっていないことが改めてわかったとき、恐怖を感じました。
ここは日本ではありませんし、夜中の0時です。他にもバスターミナルはいっぱいあるかもしれません。迎えに来てくれる友だちがもし違うバスターミナルに迎えにいったとしたら私はマイナス20℃の中で凍え死ぬかもしれません。
屋外のベンチに一人腰掛けていると、友だちが言った言葉が気になり始めました。「わかった。今からすぐにパパと迎えに行くから待ってて。午前3時過ぎには着くと思うから絶対にその場から動かないで待っていてね」
「午前3時過ぎか。あと3時間ぐらい待たないといけないのか」
「ん?え? それってめちゃくちゃ遠いところから迎えに来るってことやなあ」
「彼女が住んでるところは、どこ?」
「そういえば、スロバキアに住んでいることしか、知らなかった。これはやばいぞ!」
おわかりだと思いますが、見ず知らずの国にきているにも関わらず日本の感覚のままでいたのです。
例えば、東京の新宿バスタに着いたから今から車で迎えに来てくれる?と名古屋の友だちに電話をしたのと同じ状況だったのです。
「しまった!これはマジやばい状況だ」と真剣に焦り始めました。
そうこう焦っているうちに、夜行バスもほとんどが到着し、バスターミナルに人はまばらになり始めました。それと共にロータリー内の照明が落とされ始め、最終的に私一人になっていました。最終的に照明は全て消され、コカコーラの自販機の明かりだけがポツンとついているだけの状態になりました。その横のベンチに一人でポツンと座っていました。
何回も書きますがマイナス20℃の真っ暗な屋外のベンチにポツンと一人です。
そうすると、バスターミナルの当直の職員さんが最後の巡回にやってきました。
私のこと怪しい人物と思ったのでしょう。私を遠くから観察し、恐る恐る近づいてきて英語で「明日の朝まで、バスはもう来ないから、早くここを立ち去りなさい」と厳しい口調で言われました。(その当時、スロバキアでは東洋人が少なく、出会うこともまず無いので非常に奇妙な人ととらえられていると、あとで友だちから聞きました)
行くところがあればとっくに行ってるわと思いながら、「OK!」と寒さと恐さで震えながら答えました。
時間は午前1時過ぎ。あと2時間以上この状況で待たなければなりません。当たり前ですがコンビニや漫画喫茶なんてあるわけもなく、バスターミナルの周りにあるものと言えば、電気の消えた石造りの小さなビル街、薄暗い外灯がまばらに点いている真っ暗な通り(人も車も全く見当たりません)それと、道路の端にかき寄せられた灰色の雪だけでした。
(ちなみに当時はチェコスロバキアという国が、チェコとスロバキアに分かれ間もない状況で、チェコは工業国として栄え始めていましたが、スロバキアは農業国として凄く貧しい状態でした)
雪もちらほら降りだし、風も吹き、セーターに薄汚れたダウンジャケット、ぼろぼろのジーパンの私にマイナス20℃の寒さが容赦なく襲いかかってきました。
続く
放課後等デイサービスFORTUNA