都筑区放課後等デイサービス FORTUNA 発達性協調運動障害(DCD)

こんにちは。都筑区放課後等デイサービス FORTUNAです。

今回は以前少しお話ししたり、他の先生も触れられていたのですが、保護者の方からのご質問もあったので発達性協調運動障害(DCD:Developmental Coordination Disorder)についてもう一度お話しします。

発達の領域によって分類される発達障害のうち、身体の動きに特化した発達障害がDCD(Developmental Coordination Disorder)と呼ばれでいます。
アメリカ精神医学会のDSM-5(診断マニュアルです)によると、DCDは神経発達障害群の中の運動障害群に位置付けられています。この神経発達障害群の中にはADHD(注意欠如、多動性障害)ASD(自閉症スペクトラム障害)SLD(限局性学習障害)などが含まれ、DCDはそれらの障害との併存率が高いことが知られています。

DCDは大きく4つの特徴によって位置付けられています。第1にその人の年齢や経験から考えられるよりも協調運動技能の獲得や遂行が明らかに劣っている場合であり、診断基準はAです。第2に運動技能の欠如が日常生活に支障をきたす場合であり、診断基準はBです。具体的に言えば、不器用と言われる行動(物を落とす、物にぶつかるなど)運動技能(自転車に乗れない、スポーツに参加できない、ハサミを上手く使えない、上手く字が書けないなど)行動の遂行における遅れや不正確さなどがあげられます。第3に症状の始まりが発達段階早期である場合で診断基準はCです。第4は運動技能の欠如が知的能力障害、視覚障害、運動に影響を与える神経疾患(脳性麻痺、筋ジストロフィーなど)によるものではない場合が診断基準はDです。

DCDの子どもは、運動そのものだけでなく、他の問題を抱えている場合もあります。例えば、集団での遊びやスポーツへの参加が減ることによって、体力の低さや、肥満といった身体的問題が引き起こされます。また、集団活動に参加することが消極的になり、友だち関係に問題が発生することもあります。

さらに、自尊心や自己肯定感が低下するという研究報告もあります。いわゆる2次的障害です。協調運動の発達に遅れがみられると、保護者からの「肯定的働きかけ」が減少し、「叱責」などの行動が増加するといわれています。その点で、自尊心の低さは運動の遅れそのものから二次的に引き起こされた問題だけではなく、それが保護者からの叱責などに繋がることによって引き起こされた「三次的」問題の側面があるといわれています。

DCDは、単独で生起する場合だけではなく、他の疾患や障害と併存することもあります。とりわけ、ADHDとの併存率が高いことが知られています。この2つの特徴をもつ場合、DAMP症候群と呼ばれることもあります。また、ASDやLDとの併存性も認められています。

色々な文献を読んでみると、このような併存性の背景には、視覚運動知覚や空間認識能力の障害が指摘されることもありますが、共通の神経学的な基盤は必ずしも明らかになっているわけではありません。いくつかの要因が関連していると考えられています。

したがってDCDの子どもたちを理解し、支援するためには、運動そのものの発達だけではなく、他の領域の発達、発達の領域間の関連についても知っている必要があるのです。

都筑区放課後等デイサービス FORTUNA 心理・運動担当