こんにちは。都筑区放課後等デイサービス FORTUNAです。
今回は箱庭療法について少しお話ししましょう。
この箱庭療法は心理検査ではなく遊戯療法とされています。その歴史は古く、1929年イギリスのローエンフェルトによって創始され、その後ユングの分析心理学の影響を受けたスイスのドラ・カルフが現在の形式に整えました。そして河合隼雄によって日本にもたらされました。
現在では、子どもから大人までの幅広い年代に対して、病院や相談機関だけで無く、幼稚園から小、中、高校、特別支援学校と幅広い場で実施されています。
箱の大きさなどは正確に決まっており、木製で縦57cm 横72cm 高さ7cm。箱庭の内側の底板と側板は水色(青色)に塗られており、その中には、適度に均一な細かい砂が箱内全体に箱の半分かそれ以上の高さで敷かれています。
この大きさには意味があり、人がその前に立って箱全体をひと目で把握できる大きさであり、底板の青色は砂を掘ることで海や川などにも利用でき、また砂を盛ることで山を表現することも出来ます。また側板の青色は空として表現することも可能です。
その砂が敷きつめられた箱の中にミニチュアの玩具をおいてもらいます。何をおいてもかまいませんが、動物、植物、人間、乗り物、建物、昆虫などはとりあえず揃えておきたいものです。玩具の数は多い方が良いのですが、1種類につき、最低2~3は必要です。あまり多すぎるのも問題です。また大きさのバランスがおかしい場合もありますがあまり気にしなくても良いでしょう。
また、箱庭制作では、通常立って行いますのである程度の高さが必要となり、使用する玩具は、テーブルの上に置かれた木箱の横の棚などにたくさん置いておきます。
この箱庭療法の特徴としては、
1)対象となる人の広さ(年齢の幅が広い)・・・3歳ぐらいから高齢者まで
2)言葉での表現を必要としない・・・言葉での表現が苦手な人、緘黙、寡黙な人にも有効
3)実施者に対する守りが深い・・・相談室内での守り、カウンセラーによる守り、箱の枠という守りの3重の防御で守られています。
4)解釈をしない・・・実施者が作った作品である箱庭を専門的知識を持ったカウンセラーが受容的に観察し、その場で解釈は行ったり、助言などはしません。ただし、カウンセラー側としては、キッチリと解釈を行い実施者の状態の把握を行います。例えば、玩具の配置と方向性、動物の種類、玩具の使用量、配色などから分析を行っていきます。
5)退行的になる・・・退行とは発達段階が現在より以前の行動様式に戻ることを言いますが、箱庭療法では、防御的な固さがほぐれ、自由なイメージが表現が賦活化されます。
以上が、箱庭療法の簡単な説明です。次回はもう少し掘り下げてお話ししましょう。
都筑区放課後等デイサービス FORTUNAでした。
都筑区放課後等デイサービス FORTUNA 箱庭療法(1)