FORTUNAの運動療育の特徴

FORTUNAの運動療育について講師を務めさせていただいているMです。許可を頂いて、ブログをかかせていただきました。
スタッフの皆さんからお褒めの言葉を頂き、少し恥ずかしい気分ですが、皆さんの子どもたちに対する情熱をみているとこちらもついつい熱くなってしまいます。

スタッフの皆さんは、大変勉強熱心で教えていても非常に楽しく、教えやすいです。

これだけ勉強熱心であれば、すぐに優れた指導者になれると思いますので、子どもたちのために、日々、勉強をして知識を増やしてほしいと思います。

さて、以前のブログを拝見していると運動についていろいろ書かれています。重複するところもあるかと思いますが、保護者の方にもわかりやすく書いてみたいと思いますのでよろしくお願いします。これからお話しすることは、健常児に限ったことではありません。発達に問題がみられる子どもでも、知識と理論をしっかりもって正しい指導を行えば成果は出ますので、お家でできそうなことはチャレンジしてみてください。質問等があればFORTUNA本部に連絡して頂ければ、私がいったときに読ませていただきお返事させていただきます。

12歳までの子どもの運動能力を高めるのにもっとも適した時期には、一般的に「プレゴールデンエイジ」「ゴールデンエイジ」分けて考えられます。

プレゴールデンエイジとは?
ゴールデンエイジの前の段階、4歳から8歳頃までの時期を指します。この時期は、神経回路がもっとも発達する時期。脳や神経などを刺激することが大切です。他の先生から発達障害がある子どもの神経系については、ブログで詳しく解説されていましたのでここでは省略いたします。
この時期の子どもはさまざまなことに興味を持ちますが、それが持続しないのも特徴です。したがって、遊びを通してさまざまな動きを経験させることが有効です。
ゴールデンエイジとは? プレゴールデンエイジの後の段階、9歳から12歳頃までの時期を指します。この時期の子どもは初めて行う動作でも、見本を見ただけでできてしまうようなことがあります。それを「即座の習得」と言いますが、この時期に判断を伴う技術、実践的かつ正確な技術の習得をすることがとても重要になります。また、特定の運動に取り組むことでスキルを高めていくことができるのもゴールデンエイジの特徴です。もちろん、幅広くさまざまな種目に取り組むことで、運動能力をさらに伸ばすことにもつながります。

「スキャモンの発達曲線」についても、他の先生が書かれていたので簡単に説明します。
子どもの成長過程における器官・機能が発達する時期を曲線で示したものがスキャモンの発達曲線で「一般系」「リンパ系」「生殖系」「神経系」の4つに分けられ、ゴールデンエイジと呼ばれる時期はこの発達曲線でいう「神経系」の発達が著しい時期。およそ、12歳までにほぼ完成するといわれています。

よく保護者の方から「私の運動神経が悪いからこの子も運動ができないのでしょうか?」という質問を受けることがあります。

しかし、そもそも“運動神経がいい”ってどういうことでしょうか。スポーツ全般をこなせる子どものことをいうのでしょうか?私は、保護者の方にこのような逆質問をよくします。

答えはNOです。運動神経にもいろいろな種類があり、全部ができる子もいれば何かに特化して得意な子もいるのです。

また“運動神経は親から子に遺伝する”という認識を持つ人も多いように感じます。だからお母さんの中には「私が運動が苦手だから子どももできないのでは」と自分を責める方もおられます。
しかし、実際は遺伝的要素と同程度に子どもが育つ環境が影響を及ぼしていると考えられているのです。お母さんのせいではないのです。つまり、“球技が苦手だから運動ができない”とか“私(親)が運動が苦手だったから、子どもも苦手だ”と決めつけたり諦めてしまったりする必要はないのです。

一般的に“運動神経”といわれるものは、「コーディネーション能力」と関係しています。コーディネーション能力とは、自分の体を動かす能力のことで、この能力を鍛えることで運動に好作用をもたらします。これには7つの能力があります。

1)リズム能力 対象が動くタイミングをつかみながら、自身が動く力のこと。“リズム”の代表的なものは、ダンスです。一緒に歩いている人と歩調を合わせながら、自分が歩くスピードをコントロールすることもリズム能力が関係しています。縄跳びもまたリズム能力を問われる運動の一つで、縄を回すタイミングと跳ぶタイミングを合わせることが上達のポイント。上手に跳べない子どもの多くは、縄の回転とジャンプをするタイミングがずれることによって縄が足に掛かってしまうのです。
2)バランス能力
体の重心が移動しても、自分の姿勢を正しく保つ力のこと。崩れそうになった体の状態を戻す能力です。歩いている時に何かにつまずいて姿勢を崩してしまった時、転ばないように自分の姿勢を元へ戻すことも関連しています。バランス能力は、多くのスポーツで活用されています。例えばサッカーではドリブルでフェイントをかける際、体を動かしながらもバランスを崩さないことで相手を抜いていくことができるようになります。
3)変換能力
周囲の状況に合わせて動きを切り替える力のこと。道を歩いていて前から来る自転車とぶつかりそうになった時、自分が歩きながら進路を少しだけずらし、ぶつからないようにするといった能力です。バランス能力同様、この能力を整えることで密集したボールプレイでのプレイの質が高まります。サッカーのドリブルなどで、相手をかわしながら前へ進んでいくイメージです。
4)反応能力
さまざまな刺激に対して反応する力のこと。何らかの合図に対し、素早く動作で反応する能力です。反応能力を整えることで、陸上競技のスタートダッシュなどの質が高まります。小学校低学年の運動会の徒競走など、特に走る距離が短い場合はスタートダッシュの出来次第で順番が決まってしまう場合もあります。
5)連結能力
一つの動きに同調し、滑らかに体を動かす力のこと。関節や筋肉の動きを、良いタイミングで同調させる能力です。連結能力を高めることによって得られるのが、プレーにおけるなめらかな動きです。走りながらのボールコントロール、サッカーやバスケットボールのドリブルが上手にできるようになります。
6)定位能力
自分の位置や相手の位置を正確に把握する力のこと。道を歩いている際、電柱やガードレールといったものと自分との位置関係を把握する能力です。ボール運動においては、ボールのスピード・強さ・落下地点などを予測する能力にあたります。定位能力を整えることでパスを出す際、味方や敵の位置を確認しパスを出す場所を決定する質が高まります。
7)識別能力
道具を上手に操作する力のこと。道具を使用するスポーツでは、この力を伸ばすことで好作用をもたらします。例えば、新体操のようにさまざまな用具を巧みに扱うことが求められるスポーツでは識別能力を高めることが大きくプラスに働きます。

FORTUNAの代表は私の師匠(もう歳ですが)であり、多くのことを教えていただきました。現在、プロとしていろいろな仕事ができているのも師匠のおかげです。

その師匠からの今回のミッションは(1)発達障害がある子どもたちにも、運動をする楽しみを教えること(2)楽しみを教えるにあたりコーディネーション能力を高めること(3)運動後に必ず子どもたちに「出来た」「がんばった」という達成感を与えることの3つのオーダーを受けています。

そのために、スタッフの先生方が秘密兵器と呼んでいるものも用意(自家製ではありますが、私がプロアスリートのトレーニングで使っているのとほとんど同じです)し、どのようにしたら3つの課題をクリアできるか、日々、考えています。

スタッフの先生方から聞く限りでは、子どもたちの評判は上々で、「楽しい」「面白い」と楽しそうにプログラムに取り組んでくれているようです。中にはわずか1週間で、劇的に改善がみられる子どもも出てきているみたいで、良かったです。師匠に怒られずに済みそうです。(笑)

私が言うのもおこがましいですが、私もプロトレーナー、プロコーチとしてやってきています。その目からみてもFORTUNAの運動療育はかなりレベルが高いと思います。
オリンピック選手やプロ選手を育てることは並大抵のことではありません。
しかし、愛情をもって子どもたちの運動に対する前向きな気持ちを育むことは、先生たちの気持ちがあれば必ず伝わります。その気持ちがFORTUNAの先生方にはあると思いますので、子どもたちの達成感のために頑張っていただきたいと思います。

「運動が苦手」というお子さまをお持ちの保護者の方は一度、FORTUNAでの運動体験をされてみればわかっていただけると思います。